ナッジ(Nudge)とは、“肘で軽く突っつく”ように、強制や金銭的動機付けに頼らず、人々を賢い選択へと導く、ちょっとした工夫のことを言います。この行動経済学に基づく理論を発表したRセイラー教授が、2017年、ノーベル経済学賞を受賞したことで一躍注目を浴びました。2018年には、小泉進次郎氏が自身のブログで“Nudge×社会保障”を紹介しています。今では、政策だけでなく、SDGsの達成を目指す企業活動、受診率向上を目指す厚生行政など、様々な分野で活用が進んでいます。
ナッジは、健康教育、栄養教育の分野でも活用でき、取組事例も報告されるようになってきました。“カフェテリアで果物を目の高さに置いて果物の摂取を促す”は、健康を意識させないで、自ら健康的な行動を選択するように仕向ける代表的な手法の例です。
今年度の公開学習会では、竹林正樹先生(青森県立保健大学)をお招きし、ナッジについて学習します。ナッジの基礎知識と健康教育での活用方法について、実践事例もまじえ、初心者にもわかりやすく御講演いただく予定です。その後、自分たちの研究や実践活動に、ナッジの理論をおとしこむためのグループワークを行います。
ナッジやナッジの活用に興味関心がある皆様のご参加をお待ちしております。
参考文献)
リチャード・セイラー,キャス・サンスティーン.遠藤真美訳.実践行動経済学―健康,富,幸福への聡明な選択.東京:日経BP 社,2009.
栄養教育研究会 委員長 中西 明美
内容
1.学習会テーマの趣旨説明
2.講演「今、注目のナッジを健康行動に活用するには」 竹林 正樹 氏 (青森県立保健大学)
3.グループワーク
4.まとめ