34回日本健康教育学会学術大会 ヘルスリテラシー研究会企画シンポジウム

「組織のヘルスリテラシーのこれから」企画報告

 2026年719日(日)に、順天堂大学にて開催された第34回日本健康教育学会学術大会において、ヘルスリテラシー研究会企画のシンポジウムを開催しました。「組織のヘルスリテラシーのこれから」をテーマとして、研究動向と各セッティングにおける実践について、講演と議論が行われました。他の複数セッションとも同時開催の状況ながら、約150名の方にご参加いただき、大変盛況な会となりました。
 
シンポジウムの趣旨
近年、ヘルスリテラシーに関しては、
「個人が、自分自身や他者のために、健康に関する意思決定や行動に役立つ情報やサービスを見つけ、理解し、活用する知識や能力の度合い」
という個人のヘルスリテラシーPersonal Health LiteracyPHL)だけでなく、
「組織が、健康に関する意思決定や行動に役立つ情報やサービスを、すべての人々に対して公平に、見つけ、理解し、活用しやすくする支援の度合い」
という組織や社会環境の役割に着目した組織のヘルスリテラシーOrganizational Health LiteracyOHL)の概念(Healthy people 2030より)が国際的に注目されています。 
 
 一方、日本ではOHLに関する概念整理や評価方法、実践事例の蓄積は十分とはいえず、その有効性や活用方法について議論が始まった段階にあります。
 そこで、本シンポジウムでは、まずOHLに関する最新の研究動向を概観したうえで、病院、職域、学校という異なるセッティングにおける実践事例を共有し、組織が健康情報やサービスを利用しやすい環境を整備するために求められる視点や今後の課題について、多角的に検討することを目的として開催されました。

講演1 組織のヘルスリテラシーに関する研究動向
石川ひろの先生(帝京大学大学院 公衆衛生学研究科 教授)
 
 講演1では、まず OHLが登場した背景として、従来のヘルスリテラシー研究が個人の能力に焦点を当てていた一方で、近年では健康情報やサービスの利用しやすさを左右する組織や社会環境との相互作用が重視されるようになった経緯が紹介されました。そして Healthy People 2030において個人のヘルスリテラシーとは別に OHLが定義され、組織が人々の健康に関する意思決定を公平に支援する能力として位置づけられていることが示されました。
 OHLを構成する主要な要素としては、「コミュニケーション」「アクセスとナビゲーション」「組織文化」「政策と実践」「利用者のエンゲージメント」「人材育成」の 6領域が紹介されました。これらは、利用者に分かりやすい情報提供を行うだけでなく、組織全体として健康情報やサービスを利用しやすい環境を構築するための重要な視点であり、近年は医療機関のみならず、企業や学校、福祉分野へと OHL研究の対象が拡大していることや、組織を評価する尺度の開発も進展していることも紹介されました。
 OHLという概念を導入する意義は、健康課題を個人の能力不足として捉えるのではなく、組織や社会環境の課題として整理できる点にあります。また、健康経営や Health Promoting Schoolなど従来個別に発展してきた取り組みを共通の枠組みで整理し、評価と改善につなげられることが、今後の研究・実践の発展に重要とのことでした。

講演1 組織のヘルスリテラシーに関する研究動向
石川ひろの先生(帝京大学大学院 公衆衛生学研究科 教授)

 講演1では、まず OHLが登場した背景として、従来のヘルスリテラシー研究が個人の能力に焦点を当てていた一方で、近年では健康情報やサービスの利用しやすさを左右する組織や社会環境との相互作用が重視されるようになった経緯が紹介されました。そして Healthy People 2030において個人のヘルスリテラシーとは別に OHLが定義され、組織が人々の健康に関する意思決定を公平に支援する能力として位置づけられていることが示されました。

 OHLを構成する主要な要素としては、「コミュニケーション」「アクセスとナビゲーション」「組織文化」「政策と実践」「利用者のエンゲージメント」「人材育成」の6領域が紹介されました。これらは、利用者に分かりやすい情報提供を行うだけでなく、組織全体として健康情報やサービスを利用しやすい環境を構築するための重要な視点であり、近年は医療機関のみならず、企業や学校、福祉分野へとOHL研究の対象が拡大していることや、組織を評価する尺度の開発も進展していることも紹介されました。
 OHLという概念を導入する意義は、健康課題を個人の能力不足として捉えるのではなく、組織や社会環境の課題として整理できる点にあります。また、健康経営やHealth Promoting Schoolなど従来個別に発展してきた取り組みを共通の枠組みで整理し、評価と改善につなげられることが、今後の研究・実践の発展に重要とのことでした。

講演2 組織のヘルスリテラシー向上に向けた病院の役割と実践:無差別平等の医療を基盤とした包括的アプローチ
舟越光彦先生(公益社団法人 福岡医療団 理事長)
 
 講演2では、福岡県に位置する千鳥橋病院における「無差別平等の医療」を基盤とした実践が紹介されました。病院における OHLとしては患者への分かりやすい情報提供だけでなく、経済的・社会的要因を含めた包括的な支援の度合いに着目しています。外国人患者への多言語対応や「やさしい日本語」の導入、地域住民向けの分かりやすい健康情報の発信など、誰にとっても利用しやすいコミュニケーション環境の整備が紹介されました。
 さらに、無料低額診療事業や医療相談室の設置、地域住民へのアウトリーチ活動、外国人コミュニティとの交流など、医療機関の外にまで活動を広げる取り組みも紹介されました。また、組織理念を全職員で共有する教育体制や、地域包括ケアを支える多職種連携、職員自身の健康づくり等への支援力も OHLを構成する重要な要素であることが示されました。これらの実践は、健康格差の縮小や健康の社会的決定要因への対応という観点からも大きな意義を持つとのことでした。

講演2 組織のヘルスリテラシー向上に向けた病院の役割と実践:無差別平等の医療を基盤とした包括的アプローチ
舟越光彦先生(公益社団法人 福岡医療団 理事長)

 講演2では、福岡県に位置する千鳥橋病院における「無差別平等の医療」を基盤とした実践が紹介されました。病院におけるOHLとしては患者への分かりやすい情報提供だけでなく、経済的・社会的要因を含めた包括的な支援の度合いに着目しています。外国人患者への多言語対応や「やさしい日本語」の導入、地域住民向けの分かりやすい健康情報の発信など、誰にとっても利用しやすいコミュニケーション環境の整備が紹介されました。
 さらに、無料低額診療事業や医療相談室の設置、地域住民へのアウトリーチ活動、外国人コミュニティとの交流など、医療機関の外にまで活動を広げる取り組みも紹介されました。また、組織理念を全職員で共有する教育体制や、地域包括ケアを支える多職種連携、職員自身の健康づくり等への支援力もOHLを構成する重要な要素であることが示されました。これらの実践は、健康格差の縮小や健康の社会的決定要因への対応という観点からも大きな意義を持つとのことでした。

講演3 職域における組織のヘルスリテラシー:職域での実践事例から
坂本宣明先生(ヘルスデザイン株式会社 代表)
 
 講演3では、産業医としての経験を基に、職域における OHL向上の実践事例が紹介されました。従来の産業保健では個人への健康教育が中心でしたが、健康行動を支える組織づくりへ視点を広げる必要があります。具体例として、従業員自身の体験談を活用した健康情報の発信、相談窓口の分かりやすい表示、産業医や保健師の役割の可視化など、健康相談へのアクセスを高める工夫が紹介されました。
 また、社員主体による安全衛生委員会の活動や健康イベント、経営者自らが健康行動を実践することによる組織文化の醸成など、多様な実践例が示されました。さらに、健康経営の推進に加え、従業員が「組織から大切にされている」と感じる知覚された組織的支援( Perceived Organizational SupportPOS)の重要性が指摘され、制度の整備だけでなく、日常的な組織文化やコミュニケーションが OHLを支える基盤であることが示されました。今後は、 POSなどの指標を用いた継続的な評価が重要とのことでした。

講演3 職域における組織のヘルスリテラシー:職域での実践事例から
坂本宣明先生(ヘルスデザイン株式会社 代表)

 講演3では、産業医としての経験を基に、職域におけるOHL向上の実践事例が紹介されました。従来の産業保健では個人への健康教育が中心でしたが、健康行動を支える組織づくりへ視点を広げる必要があります。具体例として、従業員自身の体験談を活用した健康情報の発信、相談窓口の分かりやすい表示、産業医や保健師の役割の可視化など、健康相談へのアクセスを高める工夫が紹介されました。
 また、社員主体による安全衛生委員会の活動や健康イベント、経営者自らが健康行動を実践することによる組織文化の醸成など、多様な実践例が示されました。さらに、健康経営の推進に加え、従業員が「組織から大切にされている」と感じる知覚された組織的支援(Perceived Organizational SupportPOS)の重要性が指摘され、制度の整備だけでなく、日常的な組織文化やコミュニケーションがOHLを支える基盤であることが示されました。今後は、POSなどの指標を用いた継続的な評価が重要とのことでした。

講演4 学校における組織のヘルスリテラシー:Health Promoting School研究からの示唆
喜屋武享先生(琉球大学 医学部 保健学科 准教授)
 
 講演4では、学校における OHLについて、 Health Promoting SchoolHPS)の考え方との関連を踏まえて紹介されました。ドイツでは学校 OHLの評価基準が整備されつつあり、学校の理念や方針、教育活動、学校内外のネットワークを通して児童生徒の健康を支えることが重視されています。一方、日本でも学校保健制度や保健教育、養護教諭による保健だよりなど、 OHLに通じる実践は既に広く行われていることが示されました。
 しかし、制度として整備されていることと、高い質で実践されていることは必ずしも一致せず、健康づくりが一部の教職員だけに依存している現状や、活動の質・成果を評価する仕組みの不足が課題となっています。今後は、校長のリーダーシップの下で学校全体が健康づくりを担う体制を構築するとともに、 HPSの実施状況とそのアウトカムとしての OHLを評価し、児童生徒、教職員、保護者、地域と共有して改善につなげることの重要性が示されました。

講演4 学校における組織のヘルスリテラシー:Health Promoting School研究からの示唆
喜屋武享先生(琉球大学 医学部 保健学科 准教授)

 講演4では、学校におけるOHLについて、Health Promoting SchoolHPS)の考え方との関連を踏まえて紹介されました。ドイツでは学校OHLの評価基準が整備されつつあり、学校の理念や方針、教育活動、学校内外のネットワークを通して児童生徒の健康を支えることが重視されています。一方、日本でも学校保健制度や保健教育、養護教諭による保健だよりなど、OHLに通じる実践は既に広く行われていることが示されました。
 しかし、制度として整備されていることと、高い質で実践されていることは必ずしも一致せず、健康づくりが一部の教職員だけに依存している現状や、活動の質・成果を評価する仕組みの不足が課題となっています。今後は、校長のリーダーシップの下で学校全体が健康づくりを担う体制を構築するとともに、HPSの実施状況とそのアウトカムとしてのOHLを評価し、児童生徒、教職員、保護者、地域と共有して改善につなげることの重要性が示されました。

 
総合討論
 総合討論では、各講演を通して、 OHLという概念自体は比較的新しいものの、その考え方につながる実践は病院、職域、学校の各領域ですでに数多く行われていることが共通認識として示されました。演者からは、自身も今回のシンポジウムを契機として OHLを初めて体系的に理解したこと、その枠組みを用いることで、従来の実践を整理し、強みや課題を可視化できたことが報告されました。

 また、 Health Promoting HospitalHealth Promoting School、健康経営など、既存の取り組みとの共通性についても議論が行われました。 OHLはこれらを統合的に理解する概念として有用であり、今後は継続的な評価やエビデンスの蓄積を進めることが重要であるという認識が共有されました。さらに、患者や児童生徒だけでなく、医療従事者や教職員、地域住民を含め、その場に関わるすべての人々の健康をどのように位置づけるかについても意見交換が行われるなど、活発なディスカッションとなりました。  
 
おわりに
本シンポジウムでは、組織のヘルスリテラシー( Organizational Health LiteracyOHL)という新たな視点から、病院、職域、学校という異なるセッティングにおける実践が整理され、それぞれの共通点と課題が明らかになりました。 OHLは、健康課題を個人の能力だけでなく、組織や社会環境との相互作用として捉える概念であり、健康格差の縮小や健康づくりを推進するための有効な枠組みとなることが示されました。
一方で、各領域においては、既存の実践を OHLとして体系化し、継続的に評価するための指標やエビデンスは、現在のところ十分とはいえません。今後は、各セッティングにおける実践と研究を結び付けながら、 OHLの評価手法を確立し、その成果を可視化していくことが期待されます。本シンポジウムは、日本における OHL研究・実践のさらなる発展に向けた重要な契機となる内容となりました。
事後アンケートでも、「新しい研究動向を知る機会となった」「様々な領域のお話を聞けた」「自身の実践の振り返りや今後取り組めることはないか考えるきっかけとなった」という声が聞かれ、高い評価をいただくことができました。参加いただいた皆さま、そして関係者各位に心から感謝申し上げます。ヘルスリテラシー研究会では、今後もヘルスリテラシーに関する学びや交流の機会を企画してまいります。ご関心のある皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
(担当:追分日向子、河嵜唯衣、中村悟子)

総合討論
 総合討論では、各講演を通して、OHLという概念自体は比較的新しいものの、その考え方につながる実践は病院、職域、学校の各領域ですでに数多く行われていることが共通認識として示されました。演者からは、自身も今回のシンポジウムを契機としてOHLを初めて体系的に理解したこと、その枠組みを用いることで、従来の実践を整理し、強みや課題を可視化できたことが報告されました。
 また、Health Promoting HospitalHealth Promoting School、健康経営など、既存の取り組みとの共通性についても議論が行われました。OHLはこれらを統合的に理解する概念として有用であり、今後は継続的な評価やエビデンスの蓄積を進めることが重要であるという認識が共有されました。さらに、患者や児童生徒だけでなく、医療従事者や教職員、地域住民を含め、その場に関わるすべての人々の健康をどのように位置づけるかについても意見交換が行われるなど、活発なディスカッションとなりました。 
 
おわりに
本シンポジウムでは、組織のヘルスリテラシー(Organizational Health LiteracyOHL)という新たな視点から、病院、職域、学校という異なるセッティングにおける実践が整理され、それぞれの共通点と課題が明らかになりました。OHLは、健康課題を個人の能力だけでなく、組織や社会環境との相互作用として捉える概念であり、健康格差の縮小や健康づくりを推進するための有効な枠組みとなることが示されました。
一方で、各領域においては、既存の実践をOHLとして体系化し、継続的に評価するための指標やエビデンスは、現在のところ十分とはいえません。今後は、各セッティングにおける実践と研究を結び付けながら、OHLの評価手法を確立し、その成果を可視化していくことが期待されます。本シンポジウムは、日本におけるOHL研究・実践のさらなる発展に向けた重要な契機となる内容となりました。
事後アンケートでも、「新しい研究動向を知る機会となった」「様々な領域のお話を聞けた」「自身の実践の振り返りや今後取り組めることはないか考えるきっかけとなった」という声が聞かれ、高い評価をいただくことができました。参加いただいた皆さま、そして関係者各位に心から感謝申し上げます。ヘルスリテラシー研究会では、今後もヘルスリテラシーに関する学びや交流の機会を企画してまいります。ご関心のある皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
(担当:追分日向子、河嵜唯衣、中村悟子)

これまでの活動報告

日本健康教育学会 ヘルスリテラシー研究会 
日本産業衛生学会 第51回健康教育・ヘルスプロモーション研究会 共同開催

2025年9月19日(金)午後7時〜午後9時 終了しました
順天堂大学D棟8階カンファレンスルームとZoomのハイブリッド

職域におけるデジタルヘルスとヘルスリテラシー」

この度、日本健康教育学会 ヘルスリテラシー研究会では、日本産業衛生学会 健康教育・ヘルスプロモーション研究会(代表世話人:福田 洋)の開催に合わせて、標記テーマの研究会を共同で開催します。日本産業衛生学会 健康教育・ヘルスプロモーション研究会では、継続的に職域における健康教育・ヘルスプロモーションの実践と評価について取り組んでおり、近年は職域でのヘルスリテラシーやナッジ、 AIの活用可能性について議論を行ってきました。そこで近年話題の職域におけるデジタルヘルスとヘルスリテラシーについて取り上げることになり、これに合わせて、ヘルスリテラシーに関する情報交流ができればと企画しました。
  基調講演として、福田 洋 教授から国際学会の動向についてお話しいただき、その後3人のデジタルヘルスに関わる演者から一般演題を報告いただきます。これに先立ち、本学会ヘルスリテラシー研究会運営委員長 江口泰正より、若手の会から出された意見をもとに「ヘルスリテラシー:基本のき」について教育講演をいたします。
 ヘルスリテラシーの基本から最新のデジタルヘルスリテラシーまで興味のある方必見です! 興味のある方は、下記をご参照ください。
 

■第51回健康教育・ヘルスプロモーション研究会、日本健康教育学会ヘルスリテラシー研究会 共催
■テーマ:「職域におけるデジタルヘルスとヘルスリテラシー」

日 時

2025年9月19日(金)午後7時〜午後9時

方 法

順天堂大学D棟8階カンファレンスルームとZoomのハイブリッド

地図:https://www.juntendo.ac.jp/assets/hongou-map.20210423.pdf

参加費

無 料

申 込

Googleフォームよりお申込下さい(申込後ZoomIDが送信されます)

https://forms.gle/fVxfUo4t72DZQHdt9

(申し込みが多数になった場合は、参加を制限する場合があります)

座 長

福田 洋(順天堂大学)、江口泰正(健康教育推進研究所)

プログラム

1.日本健康教育学会ヘルスリテラシー研究会

「ヘルスリテラシー:基本のき」

 ヘルスリテラシー研究会委員長・健康教育推進研究所所長 江口泰正

2.日本産業衛生学会 健康教育・ヘルスプロモーション研究会

  基調講演:「国際学会におけるデジタルヘルスリテラシーの動向」

  順天堂大学大学院医学研究科先端予防医学・健康情報学講座特任教授 福田 洋

一般演題:3題

1)「JaDHAの活動紹介〜デジタルヘルスの発展とヘルスリテラシー(仮)」

  Ubie株式会社 守屋祐一郎氏、井上真夢氏

「遺伝子関連検査における保健指導とヘルスリテラシー」

  NPO法人こどもたちのこどもたちのこどもたちのために 古田早也花氏

3)「電子版お薬手帳を活用した職域PHRの社会実装 〜運輸業ドライバーの健康管理と事故予防の取組」

  harmo株式会社 事業開発本部ビジネスコンサルティング部 吉田奈央氏

世話人

<日本産業衛生学会健康教育・ヘルスプロモーション研究会>

福田 洋、江口泰正、伊藤佳奈美、金森 悟、楠本真理、坂本侑香、白田千佳子、高家 望、竹林正樹、田澤美香代、永田智久、

松葉泰昌、安倉沙織

<日本健康教育学会ヘルスリテラシー研究会>

江口泰正、福田 洋、上地 勝、石川ひろの、竹林正樹、金森 悟、伊豆香織、追分日向子、湯木実結、福井涼太、宮脇梨奈、中村悟子、

河嵜唯衣、安倉沙織

日本健康教育学会 ヘルスリテラシー研究会 
日本産業衛生学会 第51回健康教育・
ヘルスプロモーション研究会 共同開催
2025年9月19日(金)午後7時〜午後9時 終了しました
順天堂大学D棟8階カンファレンスルームと
Zoomのハイブリッド
「職域におけるデジタルヘルスとヘルスリテラシー」

この度、日本健康教育学会 ヘルスリテラシー研究会では、日本産業衛生学会 健康教育・ヘルスプロモーション研究会(代表世話人:福田 洋)の開催に合わせて、標記テーマの研究会を共同で開催します。日本産業衛生学会 健康教育・ヘルスプロモーション研究会では、継続的に職域における健康教育・ヘルスプロモーションの実践と評価について取り組んでおり、近年は職域でのヘルスリテラシーやナッジ、AIの活用可能性について議論を行ってきました。そこで近年話題の職域におけるデジタルヘルスとヘルスリテラシーについて取り上げることになり、これに合わせて、ヘルスリテラシーに関する情報交流ができればと企画しました。

33回日本健康教育学会学術大会 ヘルスリテラシー研究会企画

「デジタル社会におけるヘルスリテラシー」企画報告

2025年 7月 6日に、日本女子体育大学東烏山キャンパスで 2025年度ヘルスリテラシー研究会企画「デジタル社会におけるヘルスリテラシー」を開催しました。120名弱の方にご参加いただき、大変盛況な会となりました。

(前半)福田先生のミニレクチャー


話題提供①「国際学会からみたヘルスリテラシーの動向」
講師:福田 洋先生(順天堂大学大学院 医学研究科)

 
国際学会でもデジタルヘルスリテラシーがメインテーマとなっており、デジタルテクノロジーとヘルスケアの融合である「デジタルヘルス」を効果的に活用するための基盤であると認識されています。デジタル社会において、個人だけでなく組織(学校、職域、地域)を変革する資産となり得ますが、情報の信頼性評価や適用可能性の判断など、多角的なスキルが必要とされています。

話題提供①「国際学会からみたヘルスリテラシーの動向」
講師:福田 洋先生(順天堂大学大学院 医学研究科)

(前半)福田先生のミニレクチャー

国際学会でもデジタルヘルスリテラシーがメインテーマとなっており、デジタルテクノロジーとヘルスケアの融合である「デジタルヘルス」を効果的に活用するための基盤であると認識されています。デジタル社会において、個人だけでなく組織(学校、職域、地域)を変革する資産となり得ますが、情報の信頼性評価や適用可能性の判断など、多角的なスキルが必要とされています。

話題提供②「デジタルヘルスリテラシーの評価法」
講師:宮脇 梨奈先生(明治大学 文学部)

(前半)宮脇先生のミニレクチャー


 
WHOのデジタルヘルスリテラシーの定義、「 Digital Health Literacy Instrument (DHLI)」の日本語版尺度を紹介しました。 DHLI6つのスキル(操作スキル、ナビゲーションスキル、情報検索スキル、情報評価スキル、コンテンツ投稿スキル、プライバシー保護スキル)を評価することができ、評価を通じて個人の改善点や集団の不足スキルを特定し、教育プログラムや啓発活動の計画、政策策定に役立てることができるとされています。  

話題提供②「デジタルヘルスリテラシーの評価法」
講師:宮脇 梨奈先生(明治大学 文学部)

(前半)宮脇先生のミニレクチャー

WHOのデジタルヘルスリテラシーの定義、「Digital Health Literacy Instrument (DHLI)」の日本語版尺度を紹介しました。DHLI6つのスキル(操作スキル、ナビゲーションスキル、情報検索スキル、情報評価スキル、コンテンツ投稿スキル、プライバシー保護スキル)を評価することができ、評価を通じて個人の改善点や集団の不足スキルを特定し、教育プログラムや啓発活動の計画、政策策定に役立てることができるとされています。 

(後半)フィッシュボールディスカッション
「各分野におけるデジタルヘルスリテラシー向上への取り組みと課題」

 

ファシリテーター:江口 泰正先生(健康教育推進研究所)
ディスカッサント :福田 洋先生 、宮脇 梨奈先生、上地 勝先生(茨城大学)、金森 悟先生(帝京大学)
サブディスカッサント :河嵜 唯衣先生(お茶の水女子大学)、大内 実結先生(大田区保健所)

(後半)フィッシュボールディスカッション

「各分野におけるデジタルヘルスリテラシー向上への取り組みと課題」

 

ファシリテーター:江口 泰正先生(健康教育推進研究所)
ディスカッサント :福田 洋先生 、宮脇 梨奈先生、上地 勝先生(茨城大学)、金森 悟先生(帝京大学)
サブディスカッサント :河嵜 唯衣先生(お茶の水女子大学)、大内 実結先生(大田区保健所)

今回は初の試みとして、フィッシュボールディスカッションの形式で議論を行いました。デジタル社会におけるヘルスリテラシー向上という喫緊の課題に対し、各分野(産業保健、学校教育、地域保健)の専門家がそれぞれの立場から現状と課題を共有し、活発な議論を行う貴重な機会となりました。技術の進歩が速く、評価指標や理論が追いつかない現状があるため、今後も各分野での実践と研究を連携させ、より効果的なヘルスリテラシー向上支援のあり方を模索していく必要があります。  

今回は初の試みとして、フィッシュボールディスカッションの形式で議論を行いました。デジタル社会におけるヘルスリテラシー向上という喫緊の課題に対し、各分野(産業保健、学校教育、地域保健)の専門家がそれぞれの立場から現状と課題を共有し、活発な議論を行う貴重な機会となりました。技術の進歩が速く、評価指標や理論が追いつかない現状があるため、今後も各分野での実践と研究を連携させ、より効果的なヘルスリテラシー向上支援のあり方を模索していく必要があります。 

まとめ

事後のアンケートでは「情報通信技術等のさらなる進化によって、デジタルディバイドの解消に繋がることもあるのではないかという意見が自分にとっては新しかった」「今後も、社会的課題の投げかけや情報発信をしてほしい」というご意見や、「領域別、年代別のヘルスリテラシーの課題や解決策」をテーマとしたセミナーの要望がありました。ヘルスリテラシーの教育、研究に携わられている方や、これからヘルスリテラシーについて勉強したい方は、是非今後の勉強会や学術大会企画にご参加ください。